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「何ですかこれ……」
ロボコップこと、櫻木教授の研究室に呼び出された俺は、何の目的で作られたのかさっぱり分からない、謎のアンケート用紙を手に、冷や汗をかいていた。
最近バイトの塾が忙しくて、提出したレポートが手抜きしまくってたの、バレバレだったのかもしれないけど。
だけど、それとこのアンケート、どう見ても関係ないだろ!
「少し気になるお話を小耳に挟みまして、正確な情報が必要ですので、とりあえずそのアンケートに答えて下さい。答えなければ、単位はあげられません」
飄々と言ってのけた櫻木が、眼鏡のフレームを持ち上げて薄らと笑みを浮かべた。
「はあ!? ちょっとおかしいでしょ、それ。そもそも何ですか、その気になる話ってのは。しかも単位くれないとか、職権濫用でしょ! てか脅迫じゃないですかっ!」
「おやおや。これは私なりの優しさですよ。脅迫とは随分な言い草ですね。先日ご提出いただいたレポートの出来は、それはそれは酷いものでした」
「ぐっ、」
「しかし、橘くんには今後、家族ぐるみでのお付き合いになると思いますので、こうして温情ある措置に至ったというわけですよ」
「は、はい?」
いやいやいや。家族ぐるみで付き合うとか意味不明だし。嫌な予感しかしないんだけど。
「温情って……このアンケートどう見ても」
内容が物理学に一切触れてないものばかり……というか。
「これ設問が明らかにおかしいじゃないですか」
「おかしいですか? 至って真面目に作りましたが?」
「問1、黒沢葉と初めて出会ったとき、落とせると思いましたか?
って、なんだよこれ!」
絶対おかしいだろ。
これ答えて、誰得なんだよっ!!
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