絶対おかしい!

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デスク後ろのドリップマシンから、コーヒーポットを取り、コポコポとマグカップにコーヒーを注ぐ櫻木。 細いシルバーフレームの奥の瞳は、鋭く静謐に光る。一体何考えてんだよ。 「橘くん。勘違いされてしまうのは困りますので、補足説明致しますが、このアンケートはなにも私のために作ったわけではありませんよ? 橘くんと、葉くんの未来を応援したいとおっしゃられる天使のような方からのご依頼でして」 櫻木はうっとりとした表情で、なぜかデスク上にあるサボテンを手に取った。今にも頬擦りしそうな勢いで、若干怖い。 「て、天使……」 「ええ、それはもう。今すぐに結婚したいほどに」 「ま、まさか」 その一言で、頭に浮かんだのはただ一人。 以前櫻木が、プロポーズするつもりだと話していた、葉のお姉さん。彼女が一枚噛んでる可能性が高いってことかよ……。 「さあ、私もこの後会議が入ってますので、のんびり話している時間はありませんよ。さっさと回答して下さい」 「くっ……なんつー自分勝手な」 「何か言いましたか?」 「いーえ、何も言ってません!」 葉のお姉さんに嫌われたく無いし、これさえ答えれば単位くれるんだから、ここはグッと我慢だ、我慢。 手元のアンケート用紙にもう一度目を落とす。 問2、問3と設問を目で辿るにつれ、俺の額から冷や汗が噴き出た。 【問2、最初に触りたいと思った黒沢葉のパーツはどこですか?】 【問3、甘い言葉と優しい言葉、黒沢葉に囁くならどっち?】 って、書けるかよっ!!
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