愛という名のもとに

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「では問題です。BLにおける最大の萌えポイントとはどこでしょうか?」 向けられた不意打ちの笑顔に、心臓が危うく崩壊するところです。意識を失わないよう、心の内で経を唱えます。 「な、なんでしょうか。なりふり構わず相手を愛するところでしょうか?」 私も愛していますよ。ジュリエット。 「んー。惜しいけど違うわ。最大の萌え、それは危機を乗り越えた時に生まれる、深い愛と絆よ」 なるほど。関係性の再構築のために、一度自らが傷つく。粒子崩壊と同じ原理でしょうか。 「危機、ですか」 「そう。それも特大の危機。例えば、恋のライバルなんかが現れちゃったら、最高よね」 「では、私と花さんのより深い愛のために、ライバルをご用意しましょうか」 「でね、葉は素材がいいから、あの子が誘うようなことを言えば、その辺の男なんてイチコロだと思うのよ」 「私と花さんの深い愛を」 「そこでロボコップ」 「はい」 「私があの子達にとっておきの当て馬を用意するから、あんたはその様子を尾行して撮影して頂戴。あ、バレないように変装するのよ」 向けられた真剣な花さんの眼差しに、私は自分の愚かさに自嘲しました。 そうです。私たちに危機など必要ありませんでしたね。 こんなにも私は必要とされ、またこれほどまでに信頼されている。 それ即ち。『愛』なのですから。 「イエス、花さん」 仰せのままに。 ▶︎▶︎▶︎File4へ続く
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