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私たちの会社はバイオテクノロジーを主とした研究チームと、開発部門に分かれておりまして、私と花さんは研究ラボでゲノム解析を中心に担当しています。
なかなか神経をすり減らす仕事なので、その反動なのかもしれませんね。花さんはこんなに美人なのに、自らの恋なんてそっちのけなのです。
ボーイズラブ(通称BL)と呼ばれる作品を研究対象とし、沢山の障害を乗り越えてようやく結ばれる男性同士のカップルに、全精力と財産を注ぎ込んで応援している、とっても心優しき方なのです。
そんな花さんに少しでも近づきたくて、私も日々花さんを研究している最中です。
「メイちゃん、さて問題です。茶髪男は何受けでしょうか?」
来ました!
花さんお得意の「勝手に受け攻め属性診断」です。一種の脳トレのようなものですね。
「これは、いきなり難問ですね」
「ふふ。乙女は瞬発力が肝心よ」
さすが花さんです。
私のために、こうして成長の機会を絶えず与えてくれるなんて。
「花さん、やってみます」
「その意気よ、怖がらずに突き進むの。腐海は底なしに広いのだから」
「はいっ!」
標的を目視。ターゲットシーケンス開始します。
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