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三人姉弟、末っ子長男の俺は、小さい時から歳の離れた2人の姉達の圧を感じて育ってきた。
母の面倒を丸投げした事で、更に頭があがらなくなった。
そんな環境のせいか、初恋が遅かった。
相手は大学生の時、バイト先で知り合ったコだった。
初めて感じる異性へのトキメキで、オタオタするばかり。どうアプローチして良いものやら分からず、商品の蘊蓄を語るばかりに終わった。
バイト先は山の用品店だった…。
怒涛の様な就活、新人時代を過ごし、周りが見えてきた頃知り合った取引先の女性に惹かれた。
営業補佐で事務一般をそつなくこなし、俺達にも優しい気配りをしてくれる。
その時の担当者が同郷で、大いに地元ネタで盛り上がった。そんな男性陣を尻目に、甘い酒だが杯を重ねる彼女。
何回か接待会食で、担当者の高橋さんと彼女で呑んだ。
柔らかい笑顔や電話応対だが、取引歴が長くなると、彼女がバリアーを張ってるのに気づいた。
厳ついガタイの俺だけかな?と思いきや、優男の後輩を連れて挨拶に行った時も、男性全般が苦手なのか腰が引けてる様子。
なのに、俺達が社屋引っ越しでバタバタしててご無沙汰中、高橋さんが移動になり、彼女は新しい担当者と交際してた。
その話を後輩から聞いた時の、俺のショックときたら…
全ては、あの女が原因だ。
俺の黒歴史。
あの女のせいで、表の世界の爽やかな女性と縁が薄いのだ!
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