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彼女の方が先に動いた。
ゆらりと立ち上がる。
背は俺の肩位だ。にじり寄られ又1歩下がる。
「優しくシテ・アゲル」
絶対嘘だ。
頭から丸呑みしそうな獰猛さを漂わせてる。
真っ赤な口紅に負けない位の朱い舌で、舌なめずりしながら近づいてくる。
俺はその都度方向を変え、後ろに何があるか気が付いた時には、思いっきり体重を乗せた彼女にソファへ倒された。
「…マジで止めて下さい」
喉を鳴らして覆い被さるミキの肩を掴み、押し退けようとするも両脚の間に入った彼女の膝が怪しげな動きをする。
「良い機会でしょ?」
長い爪先が頬を滑る。
顎を執拗に撫で、首筋に落ちる。
ゴクリと唾を飲む。
今にも俺の喉元を突き破りそうな長い凶器より、彼女が放つ妖しい色香に背筋が震えた。
「…ふっ…はぁ…」
超絶気持ちが良い。
彼女は安っぽい衣装の下の、高級そうな下着をずらしただけ。
俺は、シャツのボタンとズボンのファスナーを外しただけ。
ミキが這わせる愛撫に、
棚ぼた的に経験出来る初体験の、
誘惑に抗えなかった…
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