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──私が泣いているのは、嬉しいから。
幼い頃から、疑いや怒りの声ばかりに慣れてきた。
だけどこの仕事を始めてから、人が笑ってくれる。泣いてくれる。
「ありがとうございます」
「聞いてくれて嬉しいよ」
「あなたの言葉に救われた」
疎まれることしかなかった自分、嫌われてばかりだった自分。
そんな自分に、別の存在意義が生まれた。
私は誰かを笑顔にできる。
私は誰かの為になれる。
おかしな私が、私のままであり続けられる。
私は、私を必要としてくれている人に、救われている。
そんな喜びにいつまでも慣れなくて、私はいつも泣いてしまう。
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