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7、春終わり
真っ白。空白。
白、被り。
白い時間が、僕の中には必要だった。ある人はそれを透明と称するのかもしれないし、またある人はそれを空虚って呼ぶかもしれない。
誰かを守りたいって、
結局。
承認欲求の暴走。
君の為に何かをしたいって思うのも、
結局。
僕自身の為だ。美しくないね。
美しい、真っ白では居られない。
それに関しての善悪なんて疾うに、遠い昔に。執着するのを、諦めたこと。
余白の中に何かを見出すのは、
悪い癖、なんだって。笑っちゃうね。
直感なんて当てにならないって、
大切な人達に言われたこと、思い出す、
思い出してばかり。
未来を見据えられないのは、瞼の奥、
君の笑顔がちらつくから。
今はまだすごく近くにあって、
そろそろ遠くにいってしまう。
悲しいこと、「悲しい。」って言えなくなったの、いつからだっけ、
春のせいにしたい。頭の奥の奥が、奥から歪んで、
そのまま目を伏せるしかなかった、事。
苦しいこと、「苦しい。」って言えなくなったの、いつからだっけ、
春のせいにしたい。苦しみを怒りに変えられなくて、
君に痛みを感じさせる事すら失敗した、僕。
曲がりくねった自尊心。
誰かに好意を伝える度、自分が薄まっていく様な気がしてた。
どうしようもない、こと。誰も決めつけていない筈の倫理観・価値観、美徳。
美しく正しく在りたいと願う程、誰の暖かさも思い出せない。
あわよくば、
桜が散る頃に、蹲って。
眠りたい。
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