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4、春うらら
不完全なもの。フレア、のような花々。
逆光。柔らかな、点と点。四角。
向日葵が咲いたゆめ、を見たよ。
きみたちはずっとずっと、向こう、
薄闇の中で、
きみたちの影を透き通らせて遊んだ、
午前(10)。
浮かび上がっては消えていく、
きみたちの呼吸。
いつまで経っても、親指の、
痛みが消えない、
午後(10+8)。
生活、ぼくだけの、時間。
おはよう、君たちは知らないままで。
おやすみ、君たちは全部纏めて、
ゆめを、見て。
堂々巡りで、愛おしいこと、
搔き集めて、そのまま。
駆け引きをしよう。
フレアを呑んで?
目をきちんとあけて、見つめて、
ぼくのことを、見て、
きみのことを、見て、
あなたは、
目を。閉じて。
おやすみ、
駆け引きをしよう。
愛していると謳った花が、
全部、纏めて散る前に、
山を登って海に潜って、
失ったものを重ね合わせて、泣いて?
ねぇ、笑って。
日常、きみたちは、いつになったら、
ぼくを、取り戻してくれるの。
醜いこと、一切合切終わりにして、
ただきみの喉奥、呑み込まれた、
フレアだけを見つめて、
ちゃんと、見て。ああ、
薄い紅い、春。
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