5、春さき

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5、春さき

いつか。 今日、じゃない日常。 パラレルワールド、並行世界。先、 その先に住んでいるみたいな、貴方。 いつか。 つくしが、貴方の靴底を突くころ、 私はどこか、違うところに。 居るのだろうか。いつか。 幸せなんて、願えないよ、 吐き捨てた、並行の私。自己嫌悪、 矢印続いて(→→→→→)愛の裏返し。 春が散る度、たんぽぽを踏みつける度、 アクアマリンの青さを想う、青に共鳴して、夏。 夏なんて忘れてよ、吐き捨てた、逆行の私。 矢印/矢印。点々、丸。 あの青は、とうめい。 私はただ、貴方の前で 泣きじゃくりたかっただけだ、 あの青は、とうめい。 何も何も知らないままでいて、 春を踏みつける度、私の事だけは。 何も変わらないまま、知らないままでいてほしい、 なんて。分からないままでいて、 パラレルワールドの先、 車で旅行でもしていて。 世界一周、 ぐるぐる回って、手のひらのなか。 いつか、 その先の端、世界の先端で。 陽も当たらない(すみ)っこの隅っこで、 出会えたら。貴方と。 その時は、その時は、あの青色の透明を。 二人で共鳴して、あの青色の透明を、 夏を。 「好きだよ、」って言おう。
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