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6、春ほうけ
君の言っていたこと、全部嘘だって。
夜の海に溺れるくらい、現実味がなくて、
朝、目が覚めて、夢じゃなかったと、
夢の方が、現実味を帯びている、
馬鹿馬鹿しい、事、だった。
どうでもいいことに分類される、
ヒトとヒト。
もう、うんざりだ、
滑稽だ、愚かだ、君は言った。
夢の中、眩しいくらいの、現実感。
なにかを、創っている時だけ、
地に足がついている
気がするの。君には到底、
分からない、でしょう。
吐き捨てた。
馬鹿らしいこと、だった。
分かるかい。
指差しで確認したこと、
君には分からない。どうしようもない、
そのひとと、歩んだ、事。
僕はどんどん、春とはかけ離れて
いってしまう、なんかもう、眠って、
夢の中にずっと居たい。
目覚めない、ままで。
そのまま、棺の中に。
君の所為じゃなくてさ、
前々から、ずっとずっとそう想っていて。
どうせなら土葬が良かった。
魔女狩りの様に火に炙られるより、
虫けらに蝕まれて、栄養になって。
さよならを言いたかった。
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