3つ目のミッション〜ある会長の孫娘の身代わり2

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3つ目のミッション〜ある会長の孫娘の身代わり2

翌朝、シオタに電話した。 「おはようございます、佐山です。 今回のミッションについて、お聞きしたいことがあって……」 「何かしら?」 「佳奈さん、って亡くなっているんですよね?写真は10年前の物。動画にいたっては20年前、佳奈さんが10歳の時の物ですよね?」 「ええ、そうね。亡くなってるんだから、今の写真がないのは当然ですよね」 「私、30歳の佳奈さんになるってことですよね?」 「アキさん、何当たり前なことを言っているの?」 「どうやって、演じればいいのかわからなくて……。動きや話し方みたいなものは過去の写真や動画を参考にするしかないとは思うんですけど……」 「それでいいんじゃない?」 「でも……」 「バレるのが怖い?」 「自信がないんです」 「アキさん、考えてもみてちょうだい。あなたが佳奈さんの偽者だと誰がわかるというの?昔の佳奈さんは知っていても、今の佳奈さんを知る人はいないわ」 「でも、逆に佳奈本人だと証明することもできません。令子さんが疑いでもしたら……」 「令子会長の峯山さんに対する信頼は絶大よ。それに、もし万が一、会長や息子たちが疑ったとしても、切り札は用意してある」 「えっ?切り札?」 「佳奈さんには生まれつき、右太ももにハート型の痣があるのよ」 「アザ、ですか?」 「後はマリリンにお任せでいいんじゃないかしら?アキさんのできることをやればいいだけよ。自分を信じることね。でも油断は禁物よ。佳奈さんはアメリカ留学していたわけだから、英語はネイティブ。他にいくつか趣味もあったわ。その辺もマスターしておく必要があるわね」
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