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映画『花束💐』のあらすじ
主人公、相田すみれ はスナックのママで40歳。何人もの男たちが電話番号やメールアドレスを聞いてきたりするが、すみれは一切応じなかった。
ある日、スナックに来た30代ほどの客もすみれを指名し、毎日通いつめた。しかし、他の客とは違い すみれの連絡先を聞くようなことはしなかった。何日か経った日、なぜ連絡先を聞かないのか尋ねると
「私からはお聞きしません。すみれさんがご自分から言ってくれるまで、毎日ここに通いますよ」
と言うのだ。他の客は自分のことを“すみれママ”と呼ぶのに、この男だけは“すみれさん”と呼ぶ。連絡先をこっちから言うまで毎日通う……それって、ある意味 執拗なストーカーなのではないかと思うかもしれないが、もう その時は既にすみれの心の中に その男が居座っていたのだった。スナックでの楽しい日々が続き、2ヶ月経った頃、すみれは男に連絡先を告げた。男は翌日、スナックには顔を見せず すみれのマンションに指輪を持って現れる。玄関口ですみれは男からプロポーズを受けた。
しかし、すみれはその指輪を見て泣き出し、プロポーズを断り 男を追い返した。男はただ悲しそうな顔をして去ってゆく。
すみれは、男が差し出した指輪を見て20年前のことを思い出したのだ。20年前、すみれには恋人がいた。
ある日、恋人は すみれにプロポーズしようと指輪と花束を持って横断歩道を渡っていた時、左折トラックに轢かれて亡くなった。
すみれはその時、横断歩道の反対側にいた。倒れている恋人には怖くて、近寄れなかった。事故の衝撃で歪んでしまったリングと粉々に散らばった花だけは今でも脳裏から離れない。そんなことも、スナックの男のせいで忘れかけていた。自分のせいで死んだ恋人に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
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