ぼく

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ぼく

 ぼくは  かぞくみんなに愛されてる。      ◇  赤ちゃんだったときは  ママじゃない人にだっこされても泣かなかったからおりこうだっていわれた。  泣くとパパが機嫌わるくなる。 『なんで泣くんだ!』  聞くくせにママをよんでおこる。 『オムツじゃないか?』  ただずっとねてて背中があつくなってたから泣いたのに  ぼくが泣くと泣いた理由がいつも最初オムツになる。  ママはご飯つくってる途中で火をけしてぼくをだっこしてくれる。 『泣いとるんやからサッサと来いよな……』  パパはソファでねながら電話いじってて文句だけしかいわない。      ◇  おはなしができるようになったころ 『パパとママどっちがすき?』  って聞いてくるようになった。  みんな一緒にいるのにどうしてこんなへんなこと聞いてくるんだろう。  パパだけじゃない。  おばあちゃんも聞いてくる。  ママはもちろん  おばあちゃんもすき。パパもすき。 『みんなすきだよ』  みんながよろこぶ当たりのこたえ。  おばあちゃんは近くに住んでて  ぼくの家によく来る。  ママの作ってるご飯みて  こんなものばっかり食べとったら、からだにわるいわ、っていう。  パパがびょうきになって死んじゃう  みたいなことばっかりいうけど、  同じもの食べてるんなら  ママだって死んじゃうやんっておもう。  ママはおばあちゃんに聞きながら魚の煮物を作ってた。  ものすごい量の砂糖を鍋にいれてた。 『こういうの毎日作ってあげるといいわよ』  ぼくはママの作った粉つけて焼いた魚にレモンのソースがかかったやつの方が美味しかった。      ◇ 『お母さんなんだからしっかりしなさい』 『お母さんでしょ? しっかりしなさい』  ママはしっかりしてない。  おとななのに  こどものぼくよりいっぱいおこられてる。  ぼくがしっぱいしたら 『こういうとこホントお母さんそっくりよね』  ぼくがいいことしたら 『お父さんの教育がいいのよね』  こんな感じだけど  パパのお仕事がおやすみの日には  みんなでステップワゴンに乗ってどっかにご飯食べにいく。  この時間が一番すきだった。
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