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ここまで一切の苦も無く、楽しかなかった状況だった為、 現実を忘れてしまっていた。
「すみません……対処出来ない事はないと思うのですが、強い力で戦えるのは短時間で……」
「気になさらないで下さい。もう一度言いますが、鉄騎兵を始末して頂けるのなら、それ以外は我々にお任せ下さい。元より、苦しい状況で戦って来ていたのです」
自分達は守護される民ではなく、これから拠点を攻め落としに行く兵士。
少々気を抜き過ぎていた事に反省し、
「明日の出立の際には、アフレクションネクロマンサー様は鉄騎兵の警戒に奔走されると伝え、その他の事は自分達で対処するように指示を出します」
「よろしくお願い致します」
これからの、拠点落としという壮絶な戦いに気を引き締める。
「では後は……」
それからいくつかの、どこに拠点を立てるか、秘密の抜け穴を使って奇襲を仕掛ける部隊を用意するか……
それらの事を話し合い、
「では、今日の話はここまでで」
「あぁ、みんな自分の籠に戻って明日に備えよう」
フレンと彼が会議の終わりを告げたことで、礼人達の一日が終わる。
各々があてがわれた籠に戻り、
(贅沢だな……)
一人きりになれる籠の床に寝そべって、礼人は籠を使わせて貰えることに感謝する。
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