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雨風、虫をしのげ、戦場でもプライベートを確保出来ることの有り難さ……
「前は、みんなで共同だったからなぁ……」
元居た世界では、どこかの空き家を借りて、そこを拠点として活動するのだが、行き来している暇が無い時は車を使って、現地で野宿する事もあった。
そういう時は、6人乗りのバンに椅子に座ったまま寝るとか、資材を降ろした箱トラの荷台で寝るとか……プライベートというのは一切無かった。
「みんな笑ってる……」
外から聞こえるみんなの談笑。
それは自分の時も一緒で、ピクニック気分ではないが、談笑で楽しい時間もあったが、
「決着は早く着けないと」
日数が重なれば、集団生活が苦痛になるのは分かっている。
相手が鉄騎兵だけなら、容易く終わりもするだろうが……
『コンッコンッ……』
「はい?」
「入っても良いかい?」
「どうぞ」
籠のドアをノックして、入って来たのは、
「もう寝てたかい」
「いえ、考え事をしていました」
籠の中に入って来たのは、フレンだった。
床に寝そべっていた体を起こして椅子に座ると、フレンも同様に椅子に腰掛け、
「今日は一日、お疲れ様」
「ありがとうございます。思っていたより敵が少なかったのお陰ですね」
二人は今日の労いの言葉を交わす。
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