異世界の世界

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「そうか…私は嫌な予感がする……その程度なのだが、君の場合はどうなんだい?」 「……この平穏な時が一気に崩れ落ちる……フレンさんは、出会っていないから言われても困るでしょうけど、出来損ないの人魚以上の出来事が起きると思います」 具体的に、なにが起きるかを予見する事は出来ないが、起きる事がどれほど危ないのかは感じ取れていた。 それは、この先に強大な霊力や魔力を感じるという物では無い。 これから、数日後に船が沈むと予感して、ネズミが船から逃げ出す感覚。 「他に分かったりは?」 フレンがここに来たのは、自分の嫌な予感を信じ、アフレクションネクロマンサー様なら、もっと強く嫌な予感を感じて、正体を掴めているのではと思ったから、 「そうですね……少なくとも、拠点に行くまでは大したことは起きないと思います……これ位しか分からなくて、すみません。」 フレンの期待に応える質問が出来ているかは分からないが、礼人は自分が感じている予感を素直に伝える。 「いえ、拠点までは心配をしないで良いと分かるだけでも、儲けものです」 その嫌な予感の発信源を掴む事は出来なかったが、それでも拠点までの進行は無事に出来るという、お墨付きが貰えるのは非常にありがたい話であった。
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