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「さて、アフレクションネクロマンサー様。リザードマンの飢餓状態についてですが、見た事はありますか?」
「いえ、ありません」
四人の中で残されたビレーは、森の方を見て、
「だとしたら、ワニが生き物を捕食する所は?」
「それは……あります」
それは、動物番組のドキュメンタリーシーンで見た。
飢えたワニは、草食だろうが肉食だろうが関係無い。
水飲み場に来た動物に噛み付き、水の中に連れ込んで自分の持てる暴力をぶつけ、巨体を生かして噛み付いた相手を水の底に沈め、顎の力で骨砕いて肉を引き千切る。
そこには反撃は無く、あるのは無意味な抵抗、自分の命を水飛沫(みずしぶき)に変えて泡沫の泡に変えて消えて逝く。
一方的な暴力は記憶の中にハッキリと残され、生まれで生命の頂点に立つ事を許される存在があるを教えられた。
「なら、そのままのイメージを持って下さい。餓鬼状態のリザードマンの食の執念は異常です。それは戦うのではなく、腹を満たす為に襲って来ます」
ビレーの言葉は決して脅しではない、事実なのだ。
「リザードマンが恐ろしい生物だというのは分かりますが……オークの皆さんはどうなのですか?飢餓状態に陥ったリザードマンを止められないのですか?」
リザードマンが魔龍なら、オークは魔獣……似て非なる物であっても、非なる物でも似ている者であるのだ。
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