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自分だけの小さなプライベートルーム。
その中で、また横になって目をつむり、
「無知なのか……所変われば品変わるなのか……」
自分の知らない、リザードマンの特性に息を吐いた。
自分の世界にいた時にも、リザードマンにそんな特性があったのなら、物知らずな自分の勉強不足を呪い。
この世界特有の特色というのなら、自分の世界にいたリザードマンと照らし合わせて、それが全てだと思っている自分の愚かさを呪う。
決して、この道中まで鉄騎兵を紙屑のように葬って来たかた調子に乗っていた訳でない。
細心の注意を払いながら、この世界に向き合っているつもりでいたが、新たな事が次から次へと知る事になる。
まだ、この世界に来てから一か月も経っておらず、やる事が戦争の戦争では、見聞を広めている暇が無いのは仕方無い事なのだが、
「こんなんで…上手くやれるのか……」
礼人の気は焦るばかりだった。
何をそんなに焦っているのか?
リーフもビレーさん、フレンさん達は自分の事をアフレクションネクロマンサー様と認めてくれ、最初は懐疑的だった彼等だって、今では自分がアフレクションネクロマンサー様だち湧き立っている。
英雄として、誰からも認められて称えられているという、こんなにも恵まれた状況だというのに、
「くそっ……」
礼人は体を丸めて膝を抱え込んで、自分の中で渦巻く物足りなさに苦しむ。
それは周りから、もっと頼られたい、認められたいとか、自尊心から来ているのでは無い、じいちゃんやアニーさんのように立ち振る舞いたいと願っている自分がいるから。
決して礼人は怠惰などしていない、自分の持てる努力を惜しまずやっているし、同じ事を言う事になるが、この世界に来たばかりでは、右も左も分からないのは当たり前の話であり、例えじいちゃんとアニーのどっちかがこの世界に来ていも、同じような状況に陥っていただろう。
だが…違いがあるとしたら、二月とアニーなら、
「ほほっ、日本では餅屋は餅屋と言ってな。何事も専門家にお任せするのが一番という訳じゃ。一人の人間で出来る事は限られているからこそ、力を合わせる事で、可能性を広げていくんじゃ」
「アフレクションネクロマンサーと言ったって、単なる人間ですよ?変わった力を持っているのは認めますし、私を祀り上げるのは構いませんが、何でもやってあげて、何でも叶えてあげる神様だと思わないで下さいね?そんな態度なら、神様らしくヘソを曲げてどっか行っちゃいますよ」
全てを抱え込もうしない。
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