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礼人は天井を向くと、肩で呼吸をして溜息を吐き出す。
(……まだ我慢しないといけないのか)
礼人の我慢、それは家族と暮らすことであった。
少し雑な言い方になるが霊力というのは生命力の強さであり、特殊な力が無くても子供の時にはその産まれたばかりの生命力の強さで疑似的な霊力を手にすることがある。
だが、礼人は幼少期の頃はその疑似的な霊力が起きなかった。
そう聞くと、霊力が当初無かったせいで家族といざこざがあったかのように思うかもしれないがそうではない。
霊を見る現象は年を取れば次第に収まり、大人になった時には霊を見ることはほぼ無くなるのだが、礼人はその逆が起きてしまったのだ。
幼少期の頃は霊力の「れ」の字の無い子供で、周りの霊能者達は礼人のことを気にも留めず、祖父である二月も可愛い孫として接していた。
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