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「それじゃあ鍛冶場に急ぎましょう」
「はい!!」
明後日にはこの街を出立する。
それを考えればリーフに霊力の扱い方を教えている暇は無く、武具を渡して何とかする方が現実的であった。
余程、自分がアフレクションネクロマンサーと同じ力を扱えることに喜んでいるのか、その足は浮足立っている。
(釘をさしておくか……)
それは自分が、霊能者として自覚した時の自分の姿が重なる。
それは最初の頃、自分が頭がおかしい人間では無く、特別な力を有した者だと分かった時は安堵したが、それと同時に、自分は選ばれた人間なんだと、今までのうっ憤(ぷん)を晴らしてやろうとも思い上がっていたのも事実。
リーフの事を深く知らない自分に、彼女の願いがどんなものかは推し量ることは出来無いが、
「リーフさん…一つ忠告があります」
先に注意しておくことは出来る。
彼女が変に暴走して、自分だけでなく周りの人を巻き込まないように……
「ありがとうございます…でも、大丈夫です。私、この力を大切にします」
礼人が忠告を発する前に、彼女の方から口を開く。
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