15人が本棚に入れています
本棚に追加
「私…さっきもそうでした……大切な所でも、お父様の娘だから相席させて貰えて……でも、何かが出来る訳でも無くて……出来る事と言えば障壁を張ったり、補助をする事だけ……お父様の娘じゃなければ、私はただのエルフの娘でしかなかったの……」
リーフは、自分の立場をしっかりと理解している。
「だから…いつもアフレクションネクロマンサー様に憧れていたの。みんなの為に力を使い、みんなの為に戦い……誰かの為になれることをずっと憧れていたの……」
(あぁ…この人は……)
先程から浮き足だっている理由が、少しだけ分かった。
彼女の想いは決して自尊心とかではない、何も出来ない自分を変えて、みんなの為にありたいと願う彼女の気持ちに……
(それは間違っているんだよ……)
礼人は、リーフが間違った考え方を、やっぱりしていると困ってしまう。
リーフは自分が手にした力を、物語の中のアフレクションネクロマンサー様と勘違いしている。
世界を変えられる力、運命を変えられる力……きっと夢のような力に思っているのだろうが、それは違う。
リーフが手にしたのはいわば銃。
周りのみんなが剣しか持っていないのに、自分だけガトリング砲を手に入れた状況。
最初のコメントを投稿しよう!