異世界の世界

82/133
前へ
/1028ページ
次へ
「……自分がみんなの為にというのはさ。時々、立場だからって義務的に思っちゃう時があるんだけど……こうやって、他の人がみんなの為に献身的にしている姿を見ると、自分も支え合わなきゃって……」 「うん……」 霊能者として人を救うというのは、特別な人間にしか出来ない事ではあるから、誰かを救っているというのは実感しやすいのだが、それと同時に、自分しか出来ないのだから、やらざるを得ないという気持ちを抱いてしまう。 この特別な力は傲慢にもなりやすし、虚無感に襲われることもある。 とても厄介な力を授かったとも思うが、その力を戒めにして己を律すれば、 「リーフさん。時間も出来たので、少し霊力の練習をしましょうか」 「はい!!」 きっと、精神的な面でも成長する事が出来るはず。 ________ 「それでは、霊力の簡単な鍛錬を行います」 「ここでですか?」 アフレクションネクロマンサー様の力. それは自分達にとっては特別で、神話のような力なのに、 「初めてなら、これくらいから始めるのが丁度良いんです」 「はぁ……」 どこか森の中に奥深くとか、洞窟の中とかを案内して欲しいと言われるのかと思ったのに、 「最初は私がやるので、少し見てて下さい」 そう言って、アフレクションネクロマンサー様はベッドの上に寝転ぶと気持ち良さそうに眠り始めてしまう。
/1028ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加