異世界の世界

83/133
前へ
/1028ページ
次へ
いきなりベッドの上に寝転んだのにも驚いたが、 「……冗談ですよね?」 これはちょっとしたお茶目で、自分をからかっているだけだと思いたかったが、 『すぅ…すぅ……』 自分が側にいるのに関わらずに瞬間的に寝息を立てて、眠っている。 「……お疲れでしたから、仕方無いですよね」 今日一日を考えれば、こうやってすぐに眠りに付いてしまうのも仕方無いこと。 早朝から本国に行って、あっちで泊まりになるかと思ったのに、戦場に行くように言われて、その日のうちに帰って来て街は、蜂の巣をつついたような大騒ぎになっている。 アフレクションネクロマンサー様が眠りに付いたのも、少しでも体力を温存しないさいという意味なのかもしれない。 「お休みなさい……」 戦場なら、眠りに付いてしまったアフレクションネクロマンサー様の側でお守りする役目もあるが、ここは安全な街。 アフレクションネクロマンサー様を部屋においたまま、リーフも自分の部屋で眠りに付こうと出て行こうとした時だった。 「リーフさん。これがアナタにして貰いたい事ですよ」 眠りに付いたはずのアフレクションネクロマンサー様から、声を掛けられた。 「やっぱり、寝たふりしていたのですね」 ちょっとしたお茶目に安堵としたというのか、アフレクションネクロマンサー様でも、お遊びをするものだと思って振り返るが、 「……アフレクションネクロマンサー様?」 そこでは、相も変わらずに静かに呼吸をして眠っている。
/1028ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加