異世界の世界

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「寝言……?」 寝言にしてはハッキリとした口調で、あまりにもタイミングを合わせた声掛けは、 「起きていらっしゃるんですよね?」 寝ているはずなのに起きている……自分でも良く分からない発想に、首を傾げてしまうが、 「そうですね……寝ているけれど意識は残っているというのが、正しいのかもしれませんね」 ベッドから体を起こして目を開けた礼人は、 「私はマナに付いては素人ですが、エルフの人の瞑想は、星の生命力であるマナを体内に取り込み、それを体に巡らせて感じ取るのを瞑想と言うんですよね?私達、霊能者は自分自身の生命力を霊力に変えるのですが、その生命力を感じとるのを瞑想と考えて貰うのが分かりやすいかもですね」 「えっ…と……その自分自身の生命力ですか?」 マナの瞑想……瞑想は確かに鍛錬の一つとして、自分達エルフが行うものであり、アフレクションネクロマンサー様の言う通りなのだが、自分自身の生命力と言われてもピンと来ない。 「安心して下さい。星のマナを感じ取れるエルフの方なら、自身の生命力を感じ取るのにさほど時間は掛かりませんよ」 リーフの疑問を余所に、礼人はベッドから立ち上がり、 「さぁ、今度はリーフさんがベッドに横になって下さい」 「はい」 リーフは、ベッドで横になるようにと言われて、素直に従う。
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