異世界の世界

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部屋は違うし、いつもと見ている天井とも違うが、それでもいつも見慣れている光景が見える。 何ら変哲も無い、何も特別な事の無い天井を見つめながら、 「リーフさんは、今日は疲れましたか?」 「えっ…疲れました……朝からずっとでしたから」 最初の車の中では、ぐっすり眠っていたが、その後は少しの休憩もせずに動き続ける事になって、本当の事を言えば、ベッドに横になった時には眠気に襲われる。 ここで、アフレクションネクロマンサー様と話をしていなければ目をつむって、そのまま明日を迎えていただろう。 「良い塩梅ですね。霊力は生命力と言いましたが、もっと噛み砕けば体力です。私も初めての時は山の中を死ぬかと思う程、朝から晩までトレーニングさせられて、今みたいに寝てしまう寸前まで追い込まれました」 礼人は、自分が霊力とは何かを学ばせられる時に行った事を思い出して『うんうん』っと懐かしそうに一人頷く。 「それで…これからどうしたら良いのでしょうか?」 このベッドに横になるというのが、アフレクションネクロマンサー様流の瞑想だと分かって一安心したが、このまま放置されては本当に眠ってしまう。
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