15人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あなたは、ゆっくり成長して下さい」
間違い無く、リーフの体にも何らかの異変は起きるはず。
だが、自分みたいに死に急ぐような無理な真似をしなければ、長くは生きられるはず。
(…そう……それで良いはず……だって、自分はリミィの代わりに来た存在なのだから……)
リミィが自分に代わってあっちの世界を護るのなら、こっちの世界は自分が護れば良い……リーフは、自分とリミィの後釜として、新たなアフレクションネクロマンサーとして、みんなを導く役目をすれば良い。
スゥスゥと気持ち良さそうに眠るリーフの横で、
「ちなみに、その鍛錬を積んでいけば……」
礼人の周りに淡い光の蝶が舞い踊り、その中で手の中でスライム状のマナを作り出し、
「目を開けたままでも、椅子に座ったままでも鍛錬を積めるようになります」
霊力とマナを別々にして、命を削りながらも鍛錬を始めるのであった。
________
(……なんだろう)
いつもと違う夢の中。
赤い夢に苛まれていた時のように、意識が残る夢の中のような夢の中。
けれど、いつもみたいな苦しみを伴う夢の中では無い、静かで心地良くて……まるで月の光に包まれたかのように穏やかな夢の世界。
最初のコメントを投稿しよう!