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それはどこから来ているのか、頭を悩ます必要は無い。
何故なら、自分のすぐ横で穏やかな月の光が輝いているから、それはとても奇麗で、心が癒されていって……
(アフレクションネクロマンサー様……)
その月の光がアフレクションネクロマンサー様の特別な力だと、理解出来る。
体が湖畔に浮かぶ小舟の中で揺られる感覚の中で、意識だけは彼の所にいる。
精神と肉体の剥離……精神だけが彼を感じると、
(これが霊力…なの?)
彼から溢れ出る月の光を、力を感じられた……
________
「……リーフさんは、稀有な才能があるのかもしれませんね」
「そんなことはありませんよ」
夜が深まるままに、礼人は瞑想して朝を迎えて、リーフの霊力がどの程度変化したのかチェックしたのだが、彼女の霊力は異常なまでに高まっていた。
それは自分と同じと程では無いが、それでも冬山の頃の自分と同じ霊力はあるかもしれない。
「参考までに……寝ている時って、どのような感じだったのか教えて貰う事って出来ますか?」
「ごめんなさい。眠っていた時の事は覚えていなくて……」
リーフは嘘を付いた。
本当は、自分の霊力がアフレクションネクロマンサー様の側にいたから高まったのは分かっていたが、それを黙ったのは、
「あの……もし良ければ、また今度、瞑想に付き合って頂けますか?」
「えぇ…なんで、そこまで霊力が高まったのか気になりますからね」
その事を言えば、アフレクションネクロマンサー様は自分の側から離れてしまう……アフレクションネクロマンサー様は多分だが、急激に高まるような原因は避けると思ったから。
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