異世界の世界

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「……なぁ、フレン」 「んっ?」 「本当にそれは大丈夫なのか?貴族の連中は自分達は犠牲にならないようにして、お前達を犠牲にしてでも拠点を奪いたいから、面倒事を全部押し付けたんじゃないのか?」 「……そうかもしれないが、ニードゥス様の指示だ。下手に貴族に指揮を執らせて、失敗の憂き目を見たくないと願っていると信じたい」 二人は、少しの溜息を鼻からこぼし、自分達の境遇に希望が無い事を慰め合い、 「本国からの命令であるから、拠点の防衛から、拠点の奪還作戦の為に兵士を出すのは良いが……鉄騎兵がどうしてもな……侵攻戦の為に増援を送るようには伝令を走らせてある」 オークに匹敵するのに、一切の痛みと苦しみを感じない鉄騎兵と戦うとなると、防衛の為の人数では到底足りない。 本国から伝令が来た時点で、自分の街に増援を送るように伝令を走らせていて、 「増援が到着するまでは、束の間の休息を取ってくれ」 この間まで戦争をして、疲弊しているフレン達を気遣ってくれる。 その言葉に甘えて、増援が来るまでの数日をゆっくり過ごす事が出来るのは、フレン達にとっても願ったり叶ったりであるが、 「いや、一日休んで明日には拠点奪還に向かう」 「正気か!?兵士も足りないし、ただでさえお前達は疲弊しているんだ!!それで問題になれば、私に責任をなすればいい」 「いや、今回に限っては、時間を掛ける方が不利になる可能性があるんだ」 彼の心配を受け止めてなお、フレンには考えがあった
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