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「分かった……明日には出よう」
フレンが、そこまでの覚悟を決めているのなら、その気持ちに応えなければならないが、
「アフレクションネクロマンサー様……の事は、全員に伝えた方が良いのか?」
これだけは、判断の悩み所であった。
いきなり、アフレクションネクロマンサー様が現れたと言っても、兵士達は喜ぶというよりは驚き、戸惑ってしまう可能性の方が高い。
それは敗走していた仲間達に合流した時の反応を、今回もされてしまうだろうが、
「それで、頼む。最初はみんなを驚かしてしまうかもしれないが、後々、追い風になるのは保証する」
フレンはビレーから聞いた話と、礼人の立ち振る舞いから、アフレクションネクロマンサーとして紹介した方が益があると判断する。
「よし、それも含めて準備という事でいく」
彼も納得し、会議室での話し合いが終わると、明日に向けての準備が慌ただしく始まった。
________
「消えろ!!」
『グォォォォ……』
「これがアフレクションネクロマンサー様……」
礼人の容赦の無い声が上がると、鉄騎兵が粘土のように軽く裂かれ、その様を周りのオーク達がどよめき、
「聞いたか今回の拠点の奪還なんだが……」
「あぁ…アフレクションネクロマンサー様が既に半壊させていて、我々は後始末をして拠点の確保だけで良いらしい……」
どよめきながらも、尾ひれが付いた噂を、さも本当の話をかのようにしている。
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