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そうして、何度かの鉄騎兵の襲撃を迎撃し、幾度の休憩を挟んだ頃には天に昇って赤い空を照らしていた太陽も沈んで、赤い空が闇に包まれる時間が来る。
「フレン、今日はここまでだな」
「あぁ、ここまで来れたのは大躍進だ。もう休んで明日は万全な状態で、拠点奪還に向かえる」
闇が支配する森の中を突っ切って、進軍するのは鉄騎兵という接敵するという危険よりも、地形的な危険の方がある。
前回、礼人達が拠点から逃げだした時は数十人だったから、気に止まらなかったが、拠点まで行く道は右に左に曲がりくねって、上っては下りての勾配のある一本道で、しかも道はある程度しか切り開いていない。
それは拠点を攻めにくくし、万が一、拠点を奪われても侵攻しにくくする事を目的としている。
数人や数十人位が行き来する分には、何ら影響は無いが、何百人という兵士が進むには道は狭く険しく、誰かが足を踏み外したりすれば、ドミノ倒しのように周りに影響を与え、狭い一本道の為に蛇のように隊列を真っ直ぐにしないといけないのだが、そうすると前後で距離が延びてしまい、指揮を執るのが困難になる。
そんな所に、夜間に侵入しては鉄騎兵云々の前に、地形で兵に負傷者が出てしまう。
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