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1996年12月31日大晦日
月の明かりと星が暗い空を彩る季節。
人々は家で年越しそばの準備をしたり、テレビからカウントダウンが始まるのをそわそわと待つ……そんな静かな平和な時間が流れる世界で、
「よーし!!今度は礼人(れいと)の番だ!!」
「まだ負けませんよ!!」
人気の無い古びた寺で一人の少年と大人の男達が遊びに興じていた。
「行きます!!」
礼人と呼ばれた少年は、少し呼吸を整えて手の平を軽く開くと、小さなビー玉程の小さな光の玉が現れる。
その小さな光の玉を見た周りの大人達は、
「いいぞ礼人!!」
「そのまま形を整えるんだ!!」
応援半分の、場の盛り上げの半分でヤンヤヤンヤとはやし立てる。
だが、礼人はその周りの声に耳を貸さずに目を閉じてイメージする……自分が一番イメージしやすくて作りやすい物を……
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