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10月になり、山の木々は赤や黄色といった色を着け始めた。
肌寒い。
それに…。
辺りを見渡す。
おどろおどろしい空気がその場に漂っている。
空も秋の空とは程遠く鈍色で厚い雲が覆っている。
「恐山は初めてか?」
清川…もとい清川の身体をした秋水は咥えタバコをしている。
「一応言っておきますけどその身体未成年ですからね?」
「そう言ってお前さんも吸ってんだからお互い様ってもんだ」
そう。
今俺がいるのは日本三大霊場の一つ。
青森の恐山。
「まぁ手っ取り早く力付けるんだったらここが一番良いだろうなぁ」
柾木はゴクリと生唾を飲む。
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