泣いてない。夕陽が目に染みるだけだ
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泣いてない。夕陽が目に染みるだけだ
前触れもなく自室に押し入ってきた友人は俺を助手席に押し込むと車を走らせた。 たどり着いたのは小高い丘で、そこから見下ろす海は斜陽が揺れる波間を眩しいほどの金色に輝かせている。 なにもかもがいやになって自室に逃げ込んで数日、あんなに嫌ったはずの世界を前に立ち尽くしていると、友人はいたずらっぽく「思いきり泣いてもいいんだよ」と言ってにやりと笑った。
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