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モテ部の正体
「いやーん、かっこいい! さすが、敏腕弁護士!」
ガリガリガリクソンが、デ部長の腕にすがり付いて、頬にキスをした。
季節は春だけど、俺は全身の血が凍り付いた。
何なんだ、この三文芝居は……。
「あの、お取込み中悪いんですけど、何すか、これ?」
「これが、モテ部の練習さ!」
デ部長が、どや顔で親指を突き立てた。
「はあああああああああああああああああああ? いや、先輩だと思いますけど、バカですか?」
「な、バカとはなんだ! お前、モテ部の趣旨、見なかったのか!?」
スッ
「モテ部とは……。いつか来るモテる日のために、モテた時の表情やセリフ、シチュエーションをシミュレーションする部活である……」
来ねえよ……。永遠に……。
~終わり~
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