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「黒猫は他にもいる。皆黒教徒の上の奴らに唆されて、悪魔に魂を売って強くなったんだ。だから、この負の連鎖を断ち切るには岩塩しかない」
「お前、そんなことを私にバラしたら」
「俺は、悪魔と契約したら、あんたのものになれるって思ってた。どんな願いでも叶うって言われてたんだよ」
「は?」
「好きだったんたよ。あんたの娘のよりも、あんたのことが! 知らなかったのはあんただけだ。どうせ娘からは音沙汰無いんだろ? あの子は俺に告白してきたんだ。もちろん、正直に気持ちを話したけど」
「馬鹿!」
頭の中がめちゃくちゃだった。修行したから、そうそうのことでは取り乱したりしない自信があったのに。
「俺はもうすぐ、自分の中にある悪魔に完全に食われてしまう。だからその前に、俺はあんたに殺されたい」
「血迷ったこと言うな! ちゃんと死なないように祓ってやるから!」
「ありがとな。でも、後悔してないよ。俺は悪魔になったからこそ、最後の最後に欲しい女の一部になれるんだ」
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