姥捨て山

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「九月はやっぱり暑いな」 「そうね、でも栗はちょうどよさそうなのが落ちてるよ。山になっているものはすっかり秋の雰囲気。この分だとアケビもなっているでしょう。お母さん、あれを食べるのが楽しみのひとつなの」  アケビはスーパーなので売ってない。この辺だけかもしれないが山に登って自分で採らないと食べれない。僕はリュックに飲み物を仕舞う。 「今日は天気が良いから頂上の景色は最高だろうね。行こうか。また疲れたら休めばいいよ」  お母さんはよっこらしょっと立ち上がる。僕もお尻の砂を払った。昨日夜更かしして勉強したので出来れば3時頃には帰って昼寝をしたい。この山は一時間半くらいで登れるので余裕だろう。お母さんは今日は休みだが普段はドラッグストアで正社員として働いている。早く登山を終わらせてお母さんも休ませてあげたい。家はお父さんがいないのだ。だからお母さんとこうした仲良く出来る機会は重要だ。出来るでけ親子の関係を良好にしたい。仲良く出来るよう街から離れて山に来たので喧噪を忘れるためにスマホを持って来なかった。お母さんもだ。親子水入らずで山登りが出来る。
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