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プロローグ
平成XX年……
核の三原則を唱えてからというもの、戦争を放棄し数十年が経った今も
人の血、国の血を流すことのない穏やかな国家を維持してきた「日本」は、その日の丸を平和の象徴として他国に向け掲げていた。
世の中の違反は"法"によって裁かれ、残虐な罪にはそれ相応の“罰”が待っている。
そうしてこの国の平和は保たれていた。
だが、平和ゆえに生まれる凶悪犯罪
個人の人権を尊重したことで人々は規制された“自由”を手に入れ
自由になった国民は“大切なモノ”を過去のものとしていった。
感情を抑えきれない者が容易に人を殺し
社会の裏では闇組織の存在やドラッグの密売、裏取り引きがビジネスとして当たり前に行われるようになっていた。
ヤクザ、半グレ、暴力団…
そんなダークな固有名詞が会話の中で安易に使われ、不穏な雰囲気の漂う世の中。
そして…
こんな日本で今、自由ゆえの残虐非道な連続殺人事件が世間を騒がせていた…
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