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こんな事でへこたれていてはいけない、そう思った私は先ほど聞こえた何かの音の在りか探るべく立ち上がった。
『確か……いつかと二三の部屋の方から聞こえたような………』
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『こんな所にドアなんてあったかしら?』
ドアを開けると、そこは薄暗く、下へ下へと伸びる階段しか見当たらない。
『行くしか……ないわよね!』
決して光が届くことのないその階段を下りながら、先ほど涙が出た理由を考えてみた。
最初は『裏切られた!騙されていた!』と、自分を正当化することばかりを考えていたが・・・見方や考え方一つ変えれば、そうしなければならない何かがあったとも考えられる。
やっと分かった気がする・・・そう【私が泣いた理由】は先生を信じることの出来なかった私の心の弱さが招いたものなのだ。
そう自分に言い聞かせると、私はまだ見ぬ真実を手に入れるため、まるで永遠に続くとも思われる悪魔のような階段を下へ下へと下りて行くのであった・・・。
・・・続く
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