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終わった…
俺の青春…
どんなに意地悪な太陽の下でも、白球を追いかけた俺の青春。
部活も、自主練も、相棒とのキャッチボールも、いつもここで走って、笑った思い出の土手。
今日は一人ここに座り、自分に『おつかれ!』とサイダーのキャップを捻る。
「あー、頑張ったなー、俺」
カバンを放り出し、大の字に寝そべって大きな声で自分を労ってみる。
最後の投球で相棒のサインを無視して、意地になって、試合に負けたのは俺のせい。
それに、二年間片思いしてたマネージャーに勢いで告白して、振られた。
あぁ、本当に全部終わった…
終わってしまうと、俺には何が残っているんだろう…なんて、感傷に浸るのは、らしくないかも知れない。
だって、いつも歯を食いしばって、弱音も吐かずに頑張って来たじゃないか。
だから今こそ、明日に向かって頑張るぞ!と、思うべきかも知れない。
でも、正直無理なときだってある…
見上げた空は、俺の気持ちなんかお構いなしに晴れ渡り、いかにもアオハルと叫びたくなるほどの青が広がっていた。
畜生! ちょっと泣きそうだ。
顔の上で腕をクロスして、ギュッと目を閉じる。
らしくないなんて言ってられない日もあるんだよ、畜生!
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