だけど。

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10月31日  ひろきにてをひかれてひさしぶりにいったのは、ふたりがであったもみじのきのしただった。  ひろきはほとんどわたしをだっこして、もみじのしたへとつれていってくれた。  そのとき、きっとみんなにはしんじてもらえないかもしれないけど、わたしのめには、たしかにみえた。  あのときとおなじ、いきをのむようなあかいろのもみじが。  わたしはひろきのよこにすわって、ひろきのかたにあたまをのせて、もみじのほうをみた。  あのときとちがうのは、おそろいのゆびわをしたてをつないでいたこと。  あかいもみじがとてもきれいで、ずっとずっとみていたいとおもった。  こんなにきれいなもみじのあかいろを、うまれてはじめてみた。  すこしまえまで、わたしのせかいはくろくてくらくてこわかった。いまもこわいけど、だけどこのきれいなあかいろをみられるのはせかいできっとわたしだけ。  そのあかいろのなかでまぶしくひかるひろきがいるから、わたしのせかいはもうまっくらじゃない。  とってもきれいなこのいろを、みんなにみせてあげられなくてざんねん。  だからわたしは、ひろきにだきついて、だいすきっていった。  もうかくさなくていい、わたしのほんとうのきもちを、たくさんひろきに伝えたい。  だいすき。  だいすき。  だいすき。  だーいすき。  わたしのこと、すきになってくれて、ありがとう。
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