15人が本棚に入れています
本棚に追加
はじめに❗️〜現在〜
「お姉さん、お姉さん」
カウンター越しに、こちらへ呼びかけるおっちゃん。
『ハイハイ?』
ビール注ぎながら応える私。
日曜日は昼間から、このカウンターだけの小さな飲み屋でバイトしてる。平日は本職の運送屋。
「僕、何歳に見える?」
人の年齢クイズは大の苦手やのに…
『えっと…55ぐらい?』
「それは若く言い過ぎやろ。正直に言って」
嘘なんかついてないんやけど…
『じゃあ、63ぐらいかなー』
「えぇっ!?」
少しムッとした反応するおっちゃん。結局、歳は教えてくれなかった…。
「ところで、お姉さんはいくつぐらい?」
『え?私は40ですよー。』
「嘘!50ぐらいいってると思ったわ」
ハッ?仕返しのつもりかクソジジイ(笑)
周りにいた別のお客さん達が、慌てて弁解してくれた。
私も、もう40か…。気持ちは常に二十歳、いや、十代のまんまやけどなー。
今では、4人の子供(長男は21、次男は19、三男は高一、娘は中2)を持つ、バツ2のシングルマザー。そりゃ、歳もとるわ。
「せやけど、ゆみもえぇオカンの顔になったわ」
たまたま飲みに来てた、昔の私を知る人が、ニコニコ顔でこっちを見て呟いた。
『えー?何か、老けたみたいに言わんといてやー』笑いながら返す私。
「いや、良い意味でな。柔らかくなったよ。マジで」
『そう?全体的に丸くなったから、余計にそう見えるん違う(笑)ありがとう』
若かりし頃から考えると、20キロは肥えたからなー。それに、いつまでも尖ってたらヤバイやろ。
「お前の人生、本にしたら絶対おもろいで(笑)」
そんな、昔話を思い出させるキッカケから、私は、自分の生きてきた道のりを文字にして、書いてみることにした。
最初のコメントを投稿しよう!