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勘助達の帰りを待つてばかり居る訳にもいかぬので、翁は猟師達と共に
山中の見回りへと出掛ける事にした。若しも獣が集落に接近してゐるの
なら、其の兆候を出来うる限り早く掴んでおきたいと思つたからである。
山中の見回りには、四つの組に分けられた総勢二十人の猟師達が当たつて
ゐた。其の内半分の二組が見回りを行ひ、もう半分は非番として集落に待機
すると云ふ態勢をとつており、非番の二組と見回りをする二組は一日毎に
交代する事になつてゐる。尤も、非番の二組も獣の襲撃に備へて常時警戒
して居り、集落の夜警にも駆り出される上、有事の際に獣と交戦する役目
までも負ふてゐた。
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