一、
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何でも集落から山に分け入つて、道なき道を一昼夜、枝を引つ掴み、 土を引つ掴んで進みたる処には長者が淵と云ふ池が在り、此処は 余程熟練の猟師で無ければ辿り着くことも出来ず、又其の熟練の者も行くのを 躊躇するやうな深山幽谷の地であるさうだが、彼の猟師は此処で何者かの襲撃に遭つたのである。 但し、猟師は決して熟練の者と云ふ訳では無く、唯だ偶然に依つて 其処に辿り着いたのであつた。
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