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『まだ、隠し続けるつもりか?』
僕は首を振る。……意識が朦朧として来た。しかし、神の唸りは止まらない。
『お前は、また隠し事をするのか?』
僕は薄れ行く意識の中で、半ば諦める様に首を振った。しかし……限界だった。
もう、いいや。なんてしつこい神様だ。
そうだよ、全部言い訳だ──。
僕は心の内を神様に打ち明ける決心をした。すると、体が軽くなるのを感じたんだ。
『全て話せ。お前の隠し事を……』
その声に、僕は全てを吐き出した。
「神様、恥ずかしいんだ。目を光らせて、夢中になって快感に飛び込むのがさ。野性動物みたいで、知性の欠片も見えやしない。僕はそんな風にはなれないんだ。人の目を気にしちゃってさ。
馬鹿になってる姿を見られて、馬鹿だって思われたくないんだ。だから、隠して来たんだよ」
『本当に、良かったのか? 気付かれなくて、良かったのか?』
僕は頷いた。直後、怒号が響き渡った。
『また隠し事か!』
一瞬で体が固まった。神の逆鱗に触れた事を、本能が感じ取る。
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