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「よろしくお願いします」
氷翠のことをどうか。そう願いを込めて私はJUDGEさんに頭を下げる。
私の気持ちがJUDGEさんに伝わったかはわからない。けれど彼は私の肩に優しく手を置いて「ああ」と一言答えると、今度こそ上着の裾を翻して私たちから離れていった。
たった一言の返事だったけれど、その声はとても力強く感じた。
JUDGEさんに触れられた肩がじんわりと熱を帯びていくのを感じながら、γさんの方を向く。
しかし、すぐ近くにいるはずのγさんはいつの間にか先程いた場所から数メートル離れた場所を歩いていた。
お、置いて行かれた……。
「待ってください!」
私は慌ててγさんを追いかけた。
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