JUDGE31:ζとγ

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「よろしくお願いします」  氷翠のことをどうか。そう願いを込めて私はJUDGE(ジャッジ)さんに頭を下げる。  私の気持ちがJUDGE(ジャッジ)さんに伝わったかはわからない。けれど彼は私の肩に優しく手を置いて「ああ」と一言答えると、今度こそ上着の裾を翻して私たちから離れていった。  たった一言の返事だったけれど、その声はとても力強く感じた。 JUDGE(ジャッジ)さんに触れられた肩がじんわりと熱を帯びていくのを感じながら、γ(ガンマ)さんの方を向く。  しかし、すぐ近くにいるはずのγ(ガンマ)さんはいつの間にか先程いた場所から数メートル離れた場所を歩いていた。  お、置いて行かれた……。 「待ってください!」  私は慌ててγ(ガンマ)さんを追いかけた。
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