JUDGE32:初仕事

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 そういえば、BLACK JUDGE(ブラック ジャッジ)で目にするのは見たこともない文字だったけど、さっき渡された依頼書は日本語だったな。 もしかして、私が読めるように気を遣ってくれたのかな。  そんな考えを巡らせていると、書き終わったのか、JUDGE(ジャッジ)さんが私に依頼書を差し出してきた。  依頼書の裏側には日本語で文章が書かれており、私はそれを見て綺麗な字だななんて暢気に思っていた。 「何を書いたんですか」 「BLACK JUDGE(ブラック ジャッジ)には天冥法とは別に規則がある。依頼者の記憶を消すといったものもBLACK JUDGE(ブラック ジャッジ)の規則に該当する。そこに書いてあるのはその規則の一部だ」  それに納得して私はそこに書かれた文章を読んでいく。  そこにはこう書かれていた。 “BLACK JUDGE(ブラック ジャッジ)の依頼者に該当するのは、この世界に存在する全ての種族である。ただし、人族の死者に関しては、依頼の放棄によって人界影響を及ぼす場合にのみ契約可能である。また、その場合、記憶の削除は不要である”  つまり、制限はあるけど一応亡くなった人も依頼ができるってことかな。 「他の規則については今後のα(アルファ)の指導から学んでいくことになる。できるだけ頭に入れておけ」 「わ、わかりました」  それにしても、天冥法にBLACK JUDGE(ブラック ジャッジ)の規則って……当たり前だけど本当に決まり事が多いんだな。  私もζ(ゼータ)としてここにいるのなら、こういう規則もなるべく覚えていくようにしないといけないよね。
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