JUDGE1:BLACKJUDGE

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 車が動き出してからというもの、お互い一言も発さずに数分過ぎた。  だからだろう。車内には気まずい空気が流れていた。  いや、男性の方は何とも思っていないかもしれないが、少なくとも私はそう感じている。  気を紛らわせようにも窓にはカーテンがかかっていて、外の景色を見ることもできない。  正確には、カーテンを捲れば見ることができると思うが、なんだかそれはしてはいけないような気がしてやめた。  スマホをいじることも考えたが、初対面の人の車でやるのは失礼かもしれない。そう思うと何もできなかった。 ……よし。  私は意を決して運転席へと視線を向けた。
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