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「あ、あの……。あなたも、BLACK JUDGEに関係している人……?」
私が恐る恐る聞くと、「そうですね。言うなれば仕事仲間ですかね」と、思っていたよりもあっさりと返事が返ってきた。
肯定したということはこの人も探偵なのだろうか。
あまりそうは見えないけど……。
「今は、どこに向かっているんですか?」
質問に答えてくれるようなので、続けて聞いてみる。
「JUDGEのところですよ。君ちゃん、JUDGEを見たら驚きますよー? こんなやつが? って」
私はその言葉を「思いませんよ」と否定するが、正直不安に感じていた。
先程から出てくるJUDGEとは何のことを指しているのか。
そもそも、探偵事務所というものには生まれてこの方、一度も行ったことはないけれど、あの黒いリボンでの依頼の仕方からしてテレビやドラマで見たものとはだいぶかけ離れている。
普通じゃない。そう思ってしまっている自分もいる。
まあ、怪しかったらすぐ帰ればいいよね……?
そう思っている時だった。車が止まったのは。
「着きましたよ。ここが、BLACK JUDGEですよ」
その言葉を聞いてから、私は車から出る。
そして目の前に佇む建物に息をのむ。
それは、どこまでも黒に染め上げられた洋館だった。
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