JUDGE2:JUDGE

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「"子供"か…」  そう呟いて少年は私達の方へ歩いて来た。 「君は"子供"と"大人"の境界線はどこだと考える。年齢を重ねれば"大人"なのか。なら、背が低ければ"子供"か。それとも、経験が豊富なら"大人"なのか。君の答えを聞かせてくれ」  私はその少年の言葉に戸惑った。  考えてみれば、境界線なんてあやふやな気がする。 ……彼を見た目で少年決めつけたけど、確かにそんな判断材料、何の根拠にもならない。  そもそも初対面の人に"子供"なんて言うのは失礼なことだったかも。 「ごめんなさい……」 「ああ、怒っているわけではない。君の回答に少し興味があっただけだ。申し遅れたな。俺はJUDGE(ジャッジ)。そして、先程君を車でここまで送り届けた者はCARRIER(キャリアー)。本名ではないことに関しては察してくれ」  JUDGE(ジャッジ)ってこの人の事なんだ。 ……確かにこの人は子供じゃないかも。 「では、君はこちらへ。CARRIER(キャリアー)は別室で待機してくれ」
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